脳溢血脳梗塞後遺症治療 5月18日
長嶋元巨人軍監督は重症だったと見えて、顔が歪んでいますね。
このような場合そこの運動神経が破壊されているわけで、9年のリハビリでも改善されていないわけです。
一般に脳溢血脳梗塞の治療で、鍼灸などが効果的とされるのは、発症後30日以内と言われています。
いま病院内でも症状が安定すると、即リハビリをはじめるのは、このような経験知が影響しているからでしょう。
それも外国の症例を見て始めたらしいのですが。
さて数年を経過したものが、果たして治るか否か。
8年という経過後に効果があったというのは、朱氏頭皮針を書かれた中国人鍼灸師の報告でした。
たった一例でしたが。
中国の報告はあまり信用していません。
また中国の針治療は、針を使った気功治療なので、鍼を習ってもすぐ治せるわけではありません。
それ以外長期経過した麻痺は治せない、治らないというのが一般認識です。
多くのリハビリは運動麻痺の改善だけです。
したがって顔が歪んでしまった場合は、元に戻すことはできないでしょう。
昨年出版されたNHKの脳溢血に関する本やテレビ上映がありましたが、最後に取り上げられていた患者さんは、寝たきりが立ち上がれるまでにはなっていました。
しかしどう見てもこの先に明るい未来が開かれているようには見えませんでした。
今行われているリハビリというのは、多くが運動麻痺、言語障害、眼球運動の障害の改善です。
これは末端に刺激を与え脳を活性化するというものです。
脳直接に刺激を行うわけではありません。
唯一磁気を使った治療が行われたりしていますが、適用される患者に様々な制限があり、その効果もまだ未知数なようです。
脳が破壊された部分の修復を目指しているわけではなく、失われた脳の作用を、他の部分で補うようにする方法をとっています。
しかしこれではおそらく歪んだ顔は元通りにはなりません。
ではどうするか?
まず第一は脳はダメージを受け、緊急事態に対応するためあらゆるところに緊急対応を施しています。
火事が起きた時に防火壁を降ろし、シャッターを締め、警報を鳴らし、スプリンクラーで水を撒くなどをします。
同じようなことをした結果、痙性麻痺で首が回らず、運動制限が起き、視野や複視などが起きるのだと、経験から悟りました。
それを治療していくと、体がよくなるにつれこれらの警戒が解け、首が周り頭の芯の凝りが取れ、痙性麻痺部分がやわらいでくるのでした。
私は左半身の痙性麻痺なので、治療の主体は左右のバランスを整えるため、左半身の支配を補い右半身を抑える、このような手法を取りました。
手に鍼を刺すことと、発明したサウンド・アキュパンクチャの二つの方法で治療を行いました。
試行錯誤が重ね、ついに完成したのがまだ二ヶ月弱前で、これが目覚しい効果を出していて、上記のような症状がどんどん消えて言っている状態です。
そこから導き出されたものが、上記の推測の元にもなっています。
さてこの治療法を体験している者は三人ですが、みな発症後3、4年を経過しています。
2人は痙性麻痺、一人は完全な運動麻痺です。
3人とも順調な改善経過をたどっています。
問題は完全な運動麻痺が復活するかということです。
脳からの命令伝達経路の刺激は完全に仕上がっております。
また脳では海馬で神経を作り出していることなので、ここを刺激しその活動を活発化するようにしています。
名古屋大学での研究では、海馬で作られた神経は損傷または欠けた場所に、作られたトンネルを通して運ばれているとの研究報告がありました。
このことを願い、また損傷箇所の刺激によってそこが修復されるのではないか、そう思い実験的ではありますが治療を行っています。
脳の血流が良くなれば顔はキリリと締まってきますが、支配神経が損傷したらおそらくそのようなことにはならないはずです。
支配神経の復活がなくてはなりません。
人間が持つ治癒力がそこまで備わっていると考えての治療法です。
どこまで回復するかは、痙性麻痺や感覚麻痺の改善度は同じようなので、その改善具合から見て1.5から2倍の期間を見れば、完全運動麻痺がどの程度回復するか予測出来るのではないかと考えています。