脳溢血後遺症の患者さんが、あと数回の治療で終了になるはずです!
脳溢血後遺症で右半身痙性麻痺の患者さんが、ここ数回の治療で回復を加速させています。
右手の可動域が改善しなくて、運動をすると痛みがでて先に進めないと言われていました。
自転車に再び乗れるようになるのが夢だそうです。
この2,3回の治療で回復速度が急激に上がってきたようです。
今お一人も「お体いかがですか?」と聞くといつも「どんどん良くなっています」と、返してくれますが、動きや足の改善が傍目では細部は分かりません。
そこで治療している私のほうが懐疑的でした。
しかしお二人のお話、表情、言葉からどうやら、手のひら先生スタイルの脳卒中後遺症治療が、ずいぶん進化してきたようです。
全くの歩行困難や車椅子に乗った患者さんを、完治させたことはないので完璧に積み上げた治療方法ではないので、少しの不安がありましたがこれで方向性に誤りはなかったことに確信を持てました。
脳神経に対応するツボに間違いはないはずでした。
しかし以前に書いたように、第1次運動野をに対応するツボのとり方に、少々不備がありました。
不備ではなくツボの数が足りなかった、ゾーンと言ってもいいほどの幅をとって刺激すべきだったのです。
それを修正したあとに今ひとつ修正したことがあります。
それは左右の補瀉です。
補瀉というのは東洋医学で使いますがそれは、そこの気が強いときは抑えること即ち瀉 弱っていて気が不足しているときは補うこと即ち補 という技術を使います。
鍼であったり按摩であったり時にはお灸であったりします。
補瀉の中間的な刺し方もあります。
間違いではありません。鍼を刺してあとは身体がその刺激に対し、適宜調整して効果を出すという考え方があるからです。
気の流れに対しその流れを強めるため、流れに沿って鍼を刺すのが補 流れを止めるように鍼を刺すのが瀉です。
脳溢血後遺症の基本治療法は同じですが、細部での治療を変えたことが、今回大きな成果を出し始めたのかと考えています。
東北大学で研究された経頭蓋磁気療法は、損傷を受けた脳はどうすることもできないので、健常な脳の方の働きを抑制して左右のバランスを取る方法です。
この考え方も東洋医学から診れば左右のバランスをとる、補瀉をするという考え方は同じになります。
ただ手のひら先生スタイルでは、損傷の脳を刺激し修復することを目指します。 健常な脳は抑制する瀉法をおこなっってバランスを取るのです。
これが今回の成果にとり最も大きな原因かもしれません。
しかしそれ以外に治療に加えたツボがあります。
脳は左右の半球で構成されています。
左脳は右半身 右脳は左半身と密接に関係しています。
神経からみるとその比率は80対20ぐらいの比率になるでしょうか。
気の流れからは左は左 右は右として神経とは違って治療を行います。
ところで脳は左右の関係をどのように結びつけ、両者が会話をおこなっているのでしょうか。
両者を結んでいるのが脳梁という部分です。
手のひら先生の高麗手指鍼には、脳梁のツボも発見しているので治療に困ることはありませんでした。
この脳梁の働きは意外な疾患にも効果が出ているようです。
リウマチ患者さんから個のツボを刺されてから、なにか調子がとても良くなって、特に指の関節の腫れが楽になったと言われました。
リウマチは免役に関する病気なので、脳梁がどのくらいの効果を与えたのかは分かりません。
私は左右の脳のバランスを取れるかなぐらいに軽く考えていたのですが、存外に望外に重要な調整箇所であったかも知れません。
現在は多くの病気治療に使用しております。
それよりも自分では重点を置いていたのが、脳脊髄液を産出している脈絡叢の方でした。
ここは脳という脆弱な組織を守るための防御システムにもなっているところです。
例えば薬を作っても脈絡叢がその選別をおこなって、簡単には通過できないようにしているのです。
脳には血管に弁が無いため、身体の静脈には多くの弁が備えられているため、細菌などがそこで止められ全身に行き渡らない様になっているのです。
ところが脳はそのような装置が無いので、一旦この関門を通ってしまえば、人間には大変なダメージを受けてしまいます。
脳脊髄液は脈絡叢から脳をめぐり、くも膜は腰のあたりまで来ていますので、背骨を通ることで脊髄などから出る神経とも、何かしら影響が出ているかも知れない。
あくまでも推測であるかも知れませんが、よくなると思ったツボは刺激し改善を図りたいと考えて鍼治療をおこなったのです。
左右の氣のバランス、神経的な刺激のバランス、重要な脳神経のツボ刺激、これらが総合されて今回の成果が出たのではないかと考えています。
脳の可塑成(修復力)は知られたことですが、もうなくなっているはずの脳神経に当たるツボを刺激することで、それで変化が現れるというのは謎ですが、東洋医学から考えて新しい
治療世界が見えてくるかも知れません。